NPO法人トキの国復活支援隊の活動状況 (平成15年度)



1.ドジョウ養殖施設

 平成14年9月、メンバーの協力により、佐渡市相川二見に、二重ビニールハウスとその中に幅2m、長さ20m、深さ1mの水槽を設置しました。  その水槽では、安全な餌ドジョウを安定的に供給する観点から、定款で定められた安全性向上試験と周年養殖実験に取り組んで来ました。
先ず、冬期には風雪が強く寒さが厳しい佐渡で、少しでも長い間ドジョウの成長期間を確保できるように、鉄製パイプフレーム構造の二重ビニールハウスを造り、その中に水槽を造りました。
また、残留農薬等がドジョウに蓄積しないように、水田地帯からやや離れた山沿いの土地を借地し、水槽の底土は環境汚染のないとみられる山のやや深い土層から採土した山土を搬入し、水は地下水をポンプアップして供給しました。



  

 写真下左:養殖水槽の建設直後の内観、奥のT字状のものは散水装置、手前の垂直のものはドレーン装置です。
 写真下右:養殖水槽に水を入れ、ホテイアオイを浮かし、ドジョウの稚魚を入れた状態の写真です。


2.支援隊の活動状況

1)人工養殖の安全性向上試験



平成14年初夏に、佐渡産の親ドジョウを採取し、茨城県の旧明野町のドジョウ養殖専門家に委託して人工孵化し、9月にその稚魚を佐渡に輸送して、この水槽で育て始めました。
毎日、朝と夕方に抗生物質などを含まない淡水魚用の餌を与え、水温を22度〜25度に維持するように努めました。 夏場の水温管理は、換気と散水を行うなど手間のかかるものでした。 冬の期間は加温も試みましたが能力的に及ばず、ハウス内でも水温が10度ぐらいまで下がり、ドジョウは土の中に潜り動きませんでした。このようにして冬を越え、翌年の平成15年の初夏には、元気な成魚に育ち、私たちが試行した水槽の構造、飼育管理等がドジョウの養殖に適していることを確認しました。


(ドジョウのダンスはミュージック付です。音声もお聞きください。)

また、養殖したドジョウの残留農薬を調べるために、平成15年1月に、(財)日本冷凍食品検査協会に委託して、含有物検査を行いました。 その結果、主要な殺虫剤と除草剤について、全て検出せずのレベルでした。

平成14年以降2年間の実験から、ドジョウの安全性の確保と養殖技術については、一応の目途が立ちました。 周年養殖については、冬期には水温が10度C程度まで下がるため、本格的な加温施設が不可欠であることが分かり、今後の課題となりました。

ドジョウの含有物検査の結果(平成15年)
種類商品名農薬名分析結果
殺虫剤ティプテレックストリクロルホン検出せず(<0.002)
同上バイジット乳剤MMP(フェンチオン)検出せず(<0.01)
同上兼商デミリン水和剤ジフルベンズロン検出せず(<0.05)
除草剤ハイパーXブロマシル検出せず(<0.01)
同上カーメックスDDCMU(ジウロン)検出せず(<0.05)
同上デゾレートA塩素酸塩(NaCLO3)検出せず(<0.005)
同上ラウンドアップグリホサート検出せず(<0.1)
同上ユートピアシクロスルファムロン検出せず(<0.05)
同上ユートピアぺントキサゾン検出せず(<0.05)
同上ゲザガードプロメトリン検出せず(<0.05)




2)会員ネットワークを活用した計画集荷による周年安定供給事業

   トキに与える安全な餌ドジョウは不足しております。当NPO法人の水槽養殖は実験の段階で、量的には、トキの餌需要を担うには程遠いものです。
 そこで、トキに直接与える餌ドジョウについては、島内ドジョウの遺伝子撹乱という心配がありませんので、平成15年9月 NPO法人設立を契機にして、餌ドジョウ確保支援策として、各地の会員に安全性確保などの養殖条件と低価格集荷の協力を得て、年間を通して、トキの需要に合わせて餌ドジョウを計画集荷し、トキ保護センターに供給する周年安定供給事業を試験的に実施しました。
当支援隊は、この事業を円滑に実施するために、価格差額の補填等を実施し、平成15,16年の2ヵ年について協力を得ることが出来ました。 この間、各地からの輸送の仕方や、相川二見の水槽でリフレッシュさせてトキ保護センターに、元気な生きのよいドジョウのみを供給するなどの工夫を行い、ネットワーク集荷のシステムを確立できました。
しかし、残念ながら平成17年度から集荷価格の点で折り合いがつかず、中断しています。


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